若手の広報担当者:映像制作を外注すると聞きました!楽できますね〜
ベテランの広報担当者:いやいや(笑)えーっと、学校の成果を紹介する映像を制作し学校のブランドをアピールすることになったんだが、いくつかの重要な準備が必要になるんだ。
若手の広報担当者: えっ、映像制作会社に依頼すれば、すべてお任せできるんじゃ無いんですか?
ベテランの広報担当者:そう簡単にはいかないんですよ。映像制作を依頼する前に、映像で何を実現したいのか、ターゲットはどこか、伝えたいメッセージは何か、などを明確にする必要があるんだよ。そうすることで、適した映像制作会社を選ぶことができるし、私たちのニーズを理解してもらうこともできるんだ。
若手の広報担当者:でも、それは映像制作会社の仕事じゃないんですか?
ベテランの広報担当者:そうじゃないよ。映像制作会社には映像制作会社なりのアイデアや提案があるはずですが、私たちは映像制作会社に対して、整理された明確な情報を提示することが大事なんだ。そうすることで、コミュニケーションが上手く出来て、誤解を避けることができるんだよ。
若手の広報担当者:???
ベテランの広報担当者:具体的な例を挙げましょう。数年前、企業PR映像を専門とする会社に映像制作を委託したことがあったんだ。その会社は素晴らしい映像を制作してくれたんだけど、私たちのニーズにはあまり合っていなかったんだよね〜。私たちのターゲットである高校生にアピールするためには、もっと楽しくて魅力的なものが必要だったんですよ。
若手の広報担当者:なるほど。そのような事があったのですね。・・その為に他にどんな準備が必要でしょうか?
ベテランの広報担当者:そうですねぇ。予算やスケジュール、リソースも考えないといけませんね。予算はいくらで、いつまでに完成させるのか、映像制作会社に提供できる資料、例えば画像や昔の広報誌のインタビュー、学内で撮影した関連する映像、などを明確にする必要があるのですよ。
若手の広報担当者:なるほど、よくわかりました。では、一番大切な準備は何ですか?
ベテラン学校広報社員: 私が思うに、最も重要な準備は、映像の目的を明確にすることだね。学校のPRなのか、実績の紹介なのか、新入生の勧誘なのか、映像で何を実現したいのかハッキリさせる必要があるんだ。そうすることで、適切な映像制作会社を選び、そして、私たちのニーズを理解してもらうことができるんですよ。
若手の広報担当者:いろいろとご説明いただき、ありがとうございます!映像制作を外注する前に準備を整える事には、私が思っている以上に多くのメリットがあることがよくわかりました。
ベテランの広報担当者:わかってもらえて嬉しいよ。でも、クオリティの高い映像を作るのは大変なんですよ。
若手の広報担当者:やはり、映像制作会社に頼りたいですね〜
ベテランの広報担当者:確かにそうだね(笑)映像制作会社は私たちが手作りするより質の良いものを作ってくれるよ。でも、やはり一番大事なのは、こちらのニーズや目的を理解してくれているかどうかなんだ。
若手の広報担当者:なるほど。確かに私たちの要望や目的をきちんと理解してくれているかどうか、確認する必要がありますね。
ベテランの広報担当者:その通り!そして、映像制作会社に必要な情報を整理して提供できれば、私たちのニーズを満たし、期待を上回るクオリティの高い映像を制作してもらうことができますよ。
若手の広報担当者:準備の重要性がよくわかりました。やる気になってきました!
情報整理において5W2Hの便利さを実感されている方は思いますが、映像制作においても5W2Hは非常に重要な要素です。
ただし注意すべき点があります。
通常は、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How much(どれだけ)」の順番ですが、映像制作においては順番が異なります。まず「目的とターゲット」を決める必要があります。
【Why】
まず最初に考えるべきは、「なぜ映像を制作する必要があるのか」という目的です。例えば、認知獲得、興味喚起、理解促進、そして検討促進など目的は様々です。
学校広報の主な目的は、新しい生徒や保護者にアピールし、学校の魅力を伝えることです。具体的には、学校の特徴や教育方針をわかりやすく伝え、入学希望者や転入希望者の興味を引き、学校選びの検討材料にしてもらうことが目的です。
【Who】
そして、その目的に合わせて、ターゲットを決定する必要があります。ターゲットが誰であるかによって、使用する表現や活用場所、訴求要素・メッセージ、予算などが異なってきます。対象となる新しい生徒や保護者の年齢層や興味関心、性別、居住地域などに応じて、ターゲットを絞り込んでアプローチすることが大切です。
【What】
次にターゲットと目的に合わせて、最も効果的な訴求要素やメッセージを決めることが大切です。
映像内で伝えるべき内容を明確にすることが重要です。具体的には、学校の特色や施設、授業内容、学校行事などを取り上げ、生徒の様子や先生の声を交えてわかりやすく伝えるようにします。また、映像の最後には、入学希望者や転入希望者に対してのアピールポイントや具体的にどのように行動すれば申し込めるか等を親切に案内し、興味を持った人たちが次のステップに進めるように設計します。
【Where】
配信用や活用場所によっても制作に必要なものが変わってきます。例えば、SNSに投稿する場合は短い時間で伝えられるように、テンポの早い編集やタイトルなどの視覚的なインパクトが必要です。一方、ウェブサイトに掲載する場合は、長尺で丁寧に説明することができるため、細かい部分までこだわった内容にする必要があります。
【How】
表現方法については、「How」に該当します。例えば、映像の雰囲気や語り口、映像の種類(実写、アニメーションなど)、効果音やBGMなど、どのように表現するかを決めるのが大切です。ターゲットや訴求要素に合わせて、最も効果的な表現方法を選ぶ必要があります。
【When】
次に、納期について考えます。制作の期間やスケジュールを考慮し、最終的にどのタイミングで公開するかを決める必要があります。また、納期が決まった後には、進捗管理や調整なども重要なポイントとなります。
【How much】
さらに、予算についても考慮する必要があります。予算に応じて、使用する機材やスタッフの人数、映像制作会社の選定などが変わってくるため、事前に予算を決定しておくことが大切です。
以上のように、映像制作においては、5W2Hの中でも特に「目的とターゲット」が重要な要素となります。
何を伝えたいのか、どのような印象を与えたいのか、どのような価値を提供するのか、明確にしておく必要があります。